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ドリームガールズ
宝塚歌劇の華麗な世界を映したBBCドキュメンタリーの秀作。表舞台に立つことを夢見て毎年数千人の女子学生が入学を志願する宝塚音楽学校。その経営者は男性だ。少女たちは難関を突破して入学できたとしても、男役、娘役に選ばれレビューに参加できるようになるまで何年も厳格な規律のもと下積み生活に耐えなけれなならない。本作「ドリーム・ガールズ」は、ジェンダーと性的アイデンティティ、そして現在も日本人女性がおかれている社会的矛盾について鋭い洞察をもって提示する。
バンチ・オブ・アマチュア
~わが愛しの映画クラブ~
解散の危機に瀕した英国最古のアマチュア映画クラブ。愛する映画クラブの存続をかけて奮闘するメンバーたちに思いがけない奇跡が起こる。 ブラッドフォード映画製作所はいかにも英国らしい労働者階級の人々が集まるアマチュア映画クラブだ。今や高齢化の波が押し寄せ、認知症や介護、伴侶との別れなど残酷な老いと向き合いながらも、彼らは映画という夢を追い続けている。一杯の紅茶を飲みながら映画への情熱を語り合う彼らの日々を静かに温かい眼差しで見つめたドキュメンタリー。過酷な現実、孤独深まるデジタル時代においても、空想の世界を描く心の豊かさや他者と分かち合う時間の大切さに気付かされる。
新宿ボーイズ
新宿歌舞伎町のおなべバー、ニュー・マリリン。そこで男性として生きることを決意した3人のホストをカメラは追った。たくさんのガールフレンドに囲まれモテモテのGAISH。時に見せる冷たい態度が女性の心をくすぐる。ホルモン注射を打ったTATSUは、どのお客さんにも分け隔てなく優しいと人気だ。そしてニューハーフのくみと暮らしているKAZUKI。カメラは、ジェンダー・アイデンティティや性的指向、セックスライフについて率直に語る彼らの姿を映し出す。
イラン式に離婚するなら?
夫との離婚を実現しようと法廷で闘うイランの女性たちを追った。ジャミラは夫から暴力を受けており、16歳のジーバは38歳の夫との離婚を試みる。マリヤムは娘の親権をめぐって壮絶な闘いを繰り広げる。イランの不条理な司法システムや、夫・家族からの圧力が彼女たちを追い詰める。
『Hessle Road』アレック・ギル
写真家アレック・ギル(75歳)は、1971年にイギリスのキングストン・アポン・ハル市にあるセントアンドリュース漁港を撮り始めた。それ以来、この町のヘッスルロード地区にカメラを向け続けている。ギルは自らを称して“わが町を旅する人”そして斜陽の差す漁港の歴史を記録する“偶然の目撃者”だと言う。数十年に亘って、この地域とそこに住む人々を6,630枚にも及ぶ写真に捉えている。ギルはハル市の旧市街に生まれた。1960年代には海運業や運送業の仕事に就いたが事務仕事に向かず、よく旅へ出て写真を撮っていた。
ストリッパー図鑑
原芳市は1975年以来、ストリッパーの肖像を撮り続けてきた。その数は1,500枚以上にのぼる。写真集『ストリッパー図鑑』は、原のライフワークの原点を飾る一冊である。
『Art of Repair』アート・オブ・リペアー
コメディアン、スチュワート・リーのナレーションでおくるロンドンのイーストエンドで生きる人々のユニークで感動的なドキュメンタリー。
『Soho』バリー・ルイス
1990年までのソーホーは、地域の高級化と家賃の値上がりによりエキゾチックな雰囲気が急速に失われつつあった。そこにゲイコミュニティが到来し、“ピンク・マネー”と言われる彼らの経済力によって以前の活気を取り戻し、幾分か時代の変化が緩やかになった。
I ♥ NY
“I ♥ NY”(アイ・ラブ・ニューヨーク)はニューヨークのあちこちで目にするあまりに有名なロゴで、誰かがデザインして生まれたものとは思えないくらいだ。ニューヨークと言えば思い浮かび、観光客やニューヨーカーがこの街への愛を示すシンボルとなっている。
ガイア・ガールズ
1999年。女子プロレス界を賑わせたGAEA JAPANの合宿所に密着する。明日のスターを夢見る3人の新人。彼らを「自分の子供」と呼ぶ大御所レスラー長与千種が、愛の鞭を振るう。
『Facing New York』ブルース・ギルデン
ブルース・ギルデンの路上劇場の登場人物には破天荒な面々が揃う。安っぽい派手さを身にまとい、世間離れしている。そして多くの者がミステリアスだ。ギルデンとニューヨーカーの関係は、互いに「ご近所さん」のようなもの。明白でシンプルな言葉、そして豊かな表現力で、独特の個性を放つ自称「ニューヨークのはぐれ者」たちの姿を、ギルデンはとらえてきた。彼の世界では、誰1人としてステージの片隅にいる者はいない。全員がスターなのだ。
ケープ・フラッツ
ニューヨークを拠点に活動するジェイク・オルセン監督による衝撃的な短編ドキュメンタリー。南アフリカ・ケープタウンのケープ・フラッツで3日間にわたって撮影された『ケープ・フラッツ(The Flats)』は、そこで暮らす住民の生活を探る。
アイリッシュ・トラベラー
ミンキアは、アイルランドの伝統的な移動少数民族であり、アイルランド政府や定住民は彼らを“アイリッシュ・トラベラー”と呼ぶ。“ミンキア”とは、彼ら独自の言語であるキャント語(符牒)またはギャモン語で、「アイルランド移動民族のコミュニティー」を意味する。
スプリンター・ファクトリー
世界一のスプリント王国ジャマイカで、次の陸上競技チャンピオンを目指して全力で駆ける少女たちに迫る熱きドキュメンタリー。
『Street Cops』ジル・フリードマン
混乱の時代を捉えた写真家の中でも最も重要なドキュメンタリーフォトグラファーの1人、ジル・フリードマン。彼女は人生をかけて複雑な社会状況を撮影し、誠実で芸術的な作品に昇華したストリート写真家だ。社会の片隅に暮らす人々に寄り添いながら、何か月も共に過ごして日常を記録した。
ミスティコ
イタリア生まれの映画監督カルロッタ・マナイゴは、その魅惑的なスペクタクルに惹かれ、あるルチャドール(ファイター)のマスクの下に潜り込むことにした。人を魅了してやまない男… “ミスティコ”である。
ダニエル・アーノルド
ブルックリンを拠点とする写真家。街を毎日8〜12時間歩き回っては人々の写真を撮り、文句を言われる前に猛スピードで立ち去る。こうして、ニューヨーカーのプライバシーに風穴をあけるストリートフォトを撮り続けている。アーノルドは“変人のように一人で街をぶらついた”後、撮りためた沢山の写真の中からキラリと光る人間味あふれる瞬間を拾い上げる。彼の写真の躍動感は決してスタジオで再現できるものではない。ビル・カニンガムがユニークなファッションのスナップ写真を片っ端から撮り続けたように、アーノルドは日常のあちこちで絶え間なく営まれる人同士のふれあいがもたらす瞬間を、目にとまる限り残らずカメラに捉えようしている。
その理由
フロリダの田舎に住む低所得者層が、喫煙によって大切な人を失いながらも、依存症に悩む姿を描いたドキュメンタリー短編映画。クリスティ、エリック、ジェレミーの3人は10代前半からタバコを吸い続け、大切な人を失っているにもかかわらず、収入の25%をタバコに費やし続けている。それぞれやめたい理由があるのだが、やめられない。
助産師たち
仏教徒とイスラム教徒という異なるバックグラウンドを持つ2人の助産師。厳しい民族間対立をものともせず、ミャンマー西武ラカイン州の仮設診療所にて、ロヒンギャに医療サービスを提供している。混乱と暴力が激化する中、肩を並べて働く2人の苦闘、希望、夢を5年以上に渡って追った。
マーク・ネヴィル
イギリス人アーティスト、マーク・ネヴィルは、アート、アクティビズム、ドキュメンタリーの交差点で活動し、写真の社会的機能を探求している。彼の写真プロジェクトは、被写体にとって直接的で実用的な利益をもたらすことを目的とし、地域社会と密接に関わりながら進行する。
スノウ・サイエティ
毛皮のコートやドンペリニヨンのボトルが象徴する雪山の高級リゾート、サンモリッツ。優雅な映像と並んで、大麻樹脂を炙り、ボードを折るほど激しく滑走するスノーボーダーの姿が目に飛び込んでくる。リュディ監督はこの作品について、「サンモリッツをラグジュアリーな面と反社会的な面の両方から捉えることで、二分法で分けられた世界を視覚的に読み解くドキュメンタリー映画だ」と語る。
『サブウェイ』ブルース・デビッドソン
ブルース・デビッドソンの名作品集『サブウェイ』は、1980年代のニューヨーク・シティの様子を、極めて直感的に記録したものである。
NYC, 1981
『NYC, 1981』は、ニューヨーク市の治安が史上最悪と言われた時代にフォーカスしたオリジナル短編ドキュメンタリーだ。
『I Can Help』ポール・リース
スーパーの店員がつけているバッジからとったタイトル「I Can Help」は、イギリス産業革命後の消費ブームをテーマにした、30枚の大型カラー写真シリーズだ。リースはスーパーマーケットのサブカルチャーを鋭く観察し、日常的なシチュエーションに純粋なストーリーを見出した。
チェスの魔法(Magic of Chess)
『チェスの魔法(Magic of Chess)』は、小さなチェス・チャンピオンたちがチェスによって広がる豊かな世界を語る短編ドキュメンタリー。毎年、ナッシュビルでは賞金を懸けたチェス大会が開催される。監督ジェニー・シュバイツァー・ベルは、2019年の小学生部門チェストーナメントを撮影した。映画の中でインタビューを受けるのは、8才のタニ・アデウミ。ナイジェリア難民で、家族とホームレスのシェルターで暮している。ニューヨークのチェス選手権でエリート私立校のライバルたちを打ち負かし、この大会に出場する。
ノグチ・シン
ノグチ・シンは、1976年東京都新宿区生まれ。鎌倉と東京を拠点に活動し、数々の賞を受賞しているストリートフォトグラファーです。彼のストリート写真は、日常生活の流れの中にある興奮、ヒューマニズム、美しさの特別な瞬間を捉える試みであると説明する。控えめで、詩的で、謎めいたアプローチで、演出された写真やノーファインダー、ヒップショット写真に頼ることなく、日本文化の繊細さと複雑さを捉えることができる。
カステイー人間の塔ー
カステイは、カタルーニャの老若男女がお互いの背中や肩によじ登り、構築される人間の塔だ。この慣習は1801年に初めて文化活動として記録され、1980年台に競技へと発展した。2010年にはUNESCOの無形文化遺産に登録され、カステイはカタルーニャの“豊かな文化多様性”や重要性を持つとされた。
大衆演劇
大衆演劇場に足を踏み入れると、ワイルドで華々しい秘密結社に潜入したようにワクワクする。奇抜な衣裳を着た役者が舞台で踊れば、ファンたちも大喜びで一斉に立ち上がり踊り出す。どういうわけか、全員が振付けを知っているようだ。盛り上がったファンは、タイミングを見計らっては舞台に駆け寄って金封やプレゼントを渡したり、通路に飛び出してペンライトを振ったりする。まるで、アイドルのコンサートに来た若者たちのようだが、劇場に来ている女性たちの多くは10代の子どもを持つ親世代だ。
ラビット・ハント
フロリダ州エバーグレーズの一部では、20世紀初頭から、若い男性(現在は若い女性)が棒と素早い反射神経だけで砂糖プランテーションの縁辺でウサギを狩る伝統がある。
ヒットマン・ハート〜レスリング・ウィズ・シャドウズ〜
1997年。プロレス界を震撼させた「モントリオール事件」。その真偽は25年経った今も明らかになっていない。 マット界の権力抗争に巻き込まれながらも、正義を求めて闘い続けた伝説の男、“ヒットマン”ハートが心の内を語る。
ダーク・デイズ
ニューヨークはマンハッタン。列車が通る地下トンネルには、地上で行き場を失った者たちが暮らす魔窟がある。この暗闇の中で、辛い過去に葛藤しながらも、人々は光を探している。ある日突然、鉄道会社による強制退去が始まった——。この作品は、トンネルに住むホームレス自らによって制作された。
『ガン・ネイション(Gun Nation)』ゼッド・ネルソン
『ガン・ネイション (Gun Nation)』は、アメリカの自由を表す最大の象徴が、年間約3万人の市民の命を奪う銃であるというパラドックスに迫るドキュメンタリー。 ゼッド・ネルソンの衝撃的な写真集「ガン・ネイション」が発表されてから18年後。アメリカでは銃器によってこれまでに50万人もの市民が命を落とし、負傷者も後を絶たない。ネルソンは当時撮影した人々と再会し、再び彼らの写真を撮りながら、いまだに銃器所持に執着するアメリカの国民性を問う。
甲斐扶佐義
日本の写真家 甲斐扶佐義は、人生を賭した作品の多くを火事で失い、生きる気力を失くしていた時期があった。しかし、活気ある時代と彼の驚くべき経歴がにじみ出る一連の作品は今でも見ることができる。
入浴 ―水との深い関係―
『入浴 ―水との深い関係― (We the Bathers)』は、世界各地の14人の姿を捉えた美しく心に響く短編ドキュメンタリー。それぞれの人生が“水”をめぐる物語でつながっている。 フィービー・アーンシュタイン監督はこの映画で、入浴という個人的な慣習、そのプライベートな時間に結び付いた心の深淵を探求している。人種差別、うつ病、ホームレス、移民、売春などの社会問題に触れながら、人々が水との関わりによって内省と再生、癒しを得る様子を見つめる。 文化や地域を越えて、人間が水に自身を委ねる行為―入浴―に抱く感情に迫った作品。"
『The Last Resort』マーティン・パー
フォトグラファーのマーティン・パーがイギリスの海岸を撮影した秀逸な写真は、1983~85年にニューブライトンのリバプール・ビーチ・リゾートを訪れた時のものだ。パーの得意とする飽和色を配し、廃れた街の“一時代”を皮肉なユーモアをまじえて写し出す。ゴミだらけになったリゾート地ニューブライトンの舗装された遊歩道が、英国経済の衰退と社会状況の悪化を暗示している。
ファンガール
ロサンゼルスを拠点とする映画監督兼フォトグラファーのライザ・マンデロップは、ソーシャルメディアが発達した現代の新しい“推し活”にはまる少女たちに着目した。マンデロップが捉えたのは、人とのつながりをますますテクノロジーに依存していく現代社会の実状だ。不安定な思春期を生きる少女たちは、日々、SNSでフォローしているアイドルに慰めと心のつながりを見出している。
『Heart of Darkness - Kowloon's Walled City』グレッグ・ジラード
1993年まで香港には魔窟と呼ばれる建造物があった。九龍の小さな区画にビルが密集してそびえ立ち、ジャングルの樹冠のように連なって大きな1つの要塞を形成していた。高さは14階にも延び、壁面は何百もの小さなアパートや店舗の蛍光灯で光り輝いていた。内部には学校や作業場、診療所、工場もあり、祈りと娯楽、享楽が詰まったこの場所に35,000人以上の住民が重なり合って暮らしていた。
ダンベ - エレファントフードは最強の歯のため
ナイジェリアの伝統格闘技ダンベ、その内側に迫ったドキュメンタリー。ライバル同士の2人の格闘家が闘技場“ダンダリ”での対決に臨む姿を、臨場感あふれるカメラワークとカラング太鼓の音にのせてミュージシャンのユスフ・ムサが奏でる「語りの歌」で綴る。アフリカン・コミュニティの祝祭と闘争、信仰と神秘、美しさと勇猛さに惹きつけられる。
『Bus Odyssey』トム・ウッド
この写真集は、トム・ウッドがリバプールの街を走る路線バスから20年かけて撮影した写真で綴られている。
タングラス ― 地獄のペット ニワトリ―
ある日、ムンバイで暮らす家族の小さなアパートに、父さんが一羽のヒヨコを買って来た。
ロケット戦争
「ロケット戦争」のルーツは数世紀に遡る。この地域の聖マルコ教会とパナギア・エリツィアーニ教会2大教区の住民が手作りのロケット花火を打ち上げる祭りだ。近年、ロケット花火の数は数千発にものぼり、復活祭の春の夜空を飛び交う光景はまさに壮観である。
『IVRY』(アイブリー)
『IVRY』(アイブリー)は、青年アイブリー・ホールの人生に迫ったドキュメンタリー映画だ。彼はシカゴのサウスサイドでボクシングに励み、近所の子供たちの指導もする。映画の中で、アイブリーはボクシングジムに通う一人の少年イライジャに語りかける。ともすれば道を踏み外しそうになる荒んだ環境で、正しく生きるための知恵と人生の教訓を諭す。いくつものタトゥーを持ち、12歳の頃から何度も刑務所に入れられた。昔の仲間が生きる道を誤り、命を落とすのを何度も見て来た。これが、この地区(シカゴ近郊のイングルウッド)に暮らす若者たちの常だ。しかし、アイブリーは「そんな環境に打ち勝たなければならない。自分の内面を深く見つめること。自分で道を切り開くんだ」と饒舌に語る。
ジョーライン 〜SNSアイドルへの道〜
インフルエンサーの「きらびやかな世界」を夢⾒る16歳のオースティン。貧困から抜け出そうと、持ち前のルックスを武器に日々配信に励む。だが、夢⾒る場所はあまりにも遠い。「いいね」の数が全ての世界、⼤⼈たちによる搾取、少⼥たちの現実逃避の場…そんなSNSの裏側が垣間見える。
ソフティ・イン・ケニア
止まぬ民族紛争に政治腐敗・・・ケニアという国に憤りを感じた大胆不敵な男、フォトジャーナリストのボニファスが今立ち上がる!命をかけた抗議デモに、議員選挙への出馬。「今日死んでもいい」と言い切るボニファスに、妻は「国と家族」どちらかを選ぶよう迫る。
忘れな草 〜ママはあなたを抱けなかった〜
お腹の⼦をあきらめ養⼦に出すか、⾃らの⼿で育てるかー。決断を迫られる若き韓国⼈⼥性3⼈を追った、⽣々しくも⼼揺さぶられるドキュメンタリー。未婚の⺟親への社会的偏⾒が根強く残る韓国社会を映し出す。韓国人の母親の元に生まれるも、デンマークの里親に養⼦として育てられた監督が、母親を探して⺟⼦施設を訪れるところから物語は始まる。
画家と泥棒
2枚の絵画が何者かに盗まれた。画家は犯⼈を突き⽌めるも、犯人は「覚えていない」の⼀点張り。「あなたを描かせてー」画家の突然の提案から、思いも寄らない2⼈の関係が始まる。
ミッドナイト・ファミリー
メキシコ・シティでは、人口900万人に対し、行政が運営する救急車は45台にも満たない。そのため、専門訓練もほとんどなく、認可も得ていない営利目的の救急隊という闇ビジネスが生まれている。オチョア家族もその一つだ。
アカーサ〜僕たちの家〜
広大な自然と野生生物であふれるバカレシュティ湖。都市の中心にありながら人間に忘れられたその場所で、エナカ一家はひっそりと暮らしていた。そんなある日、湖の自然公園化が決まり、家族は街で普通の暮らしをするように強いられる。
The Workers Cup―W杯の裏側―
2022年カタールW杯の開催が迫る。そのきらびやかな表舞台を支えているのは、労働者キャンプで暮らす160万人の外国人労働者。日中は長時間労働をこなし、夜は「労働者の福利厚生策」として設けられたサッカー・トーナメント「ワーカーズ・カップ」で力を振り絞る男たち。仲介会社に騙され帰国もままならず、ごく僅かな給料で食い繋ぐ毎日。そこに小さな光を当ててくれるこの大会を、男たちは心の拠り所にするのだった。
チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ー
ロシア支配下のチェチェン共和国で国家主導の"ゲイ狩り"が横行している。同性愛者たちは国家警察や自身の家族から拷問を受け、殺害され、社会から抹消されている。それでも決死の国外脱出を試みる彼らと、救出に奔走する活動家たちを追った。本作品では、被害者の命を守るため、フェイスダブル技術を駆使し身元を特定不能にしている。
キース・ヘリング 〜ストリート・アート・ボーイ〜
地下鉄の落書きから世界へ。アート界で旋風を巻き起こし、数々の作品を世に残したキースヘリング。同性愛、ドラッグ、エイズ...31歳の若さでこの世を去ったキースが、死を目前に自らの人生を語る。
ロンドン・エディンバラ・ロンドン
5日間の忍耐と試練の旅である。ロンドンの中心からイギリス全土を渡り、エディンバラへ。そしてロンドンまで戻ってくる。 彼らのほとんどが、今まで経験したこともない約1400kmの道のりを走行する中、身体と精神の極限まで自分を追い込み、数多くの困難に立ち向かわなければならなかった。
牧師といのちの崖
その崖の上は、毎日が生きる闘いでした。 風光明媚な観光名所、三段壁。 美しい断崖は、自殺の名所としても知られていた。 人生に絶望した自殺志願者と、共に暮らす牧師。 彼らの日々が問いかける“生きる意味”とは?
キム・ロンジノット
『新宿ボーイズ』の監督。イギリスのドキュメンタリー映画製作者で、抑圧や差別に苦しむ女性たちに焦点を当てた作品で高い評価を得ている。問題に対峙し奮闘する女性や少女たちの実状を描いた問題作を精力的に発表し、映画作品はこれまで20本以上と多作。
デヴィッド・フランス
『チェチェンへようこそ―ゲイの粛清―』の監督。報道記者やノンフィクション作家としても活躍するアメリカの映画製作者。ニューズウィークの元編集者で、ニューヨーク・マガジン、ニューヨーカー、ニューヨーク・タイムズ、GQなど多くのメディアに記事を寄稿している。自らもゲイであり、LGBTQ問題に迫る調査報道に定評がある。
ベンジャミン・リー
Benjamin Ree is a Norwegian director and cinematographer of several documentaries, including Magnus, The Painter and the Thief, and Ibelin.
ルーク・ローレンツェン
『ミッドナイト・ファミリー』の監督。スタンフォード大学芸術美術史学部を卒業。エミー賞を受賞した本作品はメキシコシティで救急車ビジネスを営む家族を追ったドキュメンタリー映画。
リサ・セルビー
Blue Bag Life, Lisa Selby’s intimate documentary about her mother’s death, inspired the film-makers to adopt a new, more collective way of working
マーク・シンガー
Brit director Marc Singer's documentary follows the lives of homeless people who found shelter in disused underground tunnels in Midtown Manhattan. After relocating to New York, Singer met and befriended a number of the city's homeless population, who revealed to him how and where they live. Intrigued, the director decided to go and both share and chronicle their lives in an abandoned Amtrack tunnel near Pennsylvania Station.
シネ・ヌーヴォ
Cinenouveau is located in Kujo, Nishi-ku, Osaka City. Known as a culinary capital, Kujo is a warm town with a traditional downtown atmosphere in Osaka City, a major metropolis in the Kansai region.
ユーロスペース
An art-house specialist with a lifespan of over two decades, playing independent films from Europe and Asia, and in a new location since January 2006.
出町座
Demachiza is an independent cinema located in Kyoto's hip Northern district of Demachiyanagi. Housed inside a traditional indoor shopping street, or 'shoutengai', Demachiza is a cinema, book shop and cafe.
シネマスコーレ
Cinema Skhole is an intimate theatre, opened in 1983 by director Koji Wakamatsu, and screens independent movies from Asia and beyond.
ライアン・レイニー
『チェチェンへようこそ―ゲイの粛清―』で使用された証言者の保護のためのデジタルベール技術(Censor Veil)の開発者。この映画は2020年サンダンス映画祭でコンペティション部門に出品され世界初公開、2021年アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門の最終候補に選ばれた。
ISO
映画評・解説記事、音楽レビュー、旅行コラムなど書きます。映画、音楽、アメリカ、風呂、猫が好きなライター。劇場プログラムをはじめ、MOE、WWD JAPAN、CINRAなど多数の媒体で執筆 J-WAVE 81.3 FM PEOPLE’S ROASTERY月イチ出演
バルボラ・キシルコワ
ドキュメンタリー映画『画家と泥棒』の主要人物でチェコ出身の画家。彼女はオスロのギャラリーから盗まれた絵の行方を捜すため、盗んだ泥棒に直接接触を試みる。二人の奇妙なめぐり逢いから、事態は思いがけない展開をむかえる。
佐々木俊尚
かつてはあった人生のレールが取り外されつつある今、重要なのは「健全な生活」を送ることでしかないのではないだろうか。変わりゆく社会に、文句を言っていても仕方がない。触れる情報、読んだ本、出会った人などさまざまな経験を頭の中で分析し、自分なりの思考を組み立てる。そうして、自分が進む道、生き方を選び取ることが、これからの社会を生き抜く術だと信じている。
松中ゴン
プライドハウス東京コンソーシアムの創設者で前会長。「公益社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に」の理事を務める。ここでは暮らせないと故郷を飛び出して東京の大学へ。オーストラリア留学を経て卒業、株式会社電通に就職。何十年も自身のセクシャリティを隠していたが、東京とニューヨークで働くかたわらLGBTQ+関連活動に携わるようになる。電通を退社後、NPO法人を立ち上げるなど社会運動家として活動中。
山﨑 昌宣
大阪西成でディレイラブリューワークスを起業。品評会でも入賞するクラフトビールの醸造所を運営し、要支援者や障害者らの就労継続支援事業を展開している。
よしひろまさみち
東京を拠点に映画ジャーナリストとして活動。sweet、SPA!、with、Screenなど多数のメディアで映画記事を執筆のほか、ぴあ、映画.comなどのウェブサイトにも映画評を寄稿。国際批評家連盟の日本映画ペンクラブ会員、日本アカデミー賞会員。フリーのジャーナリストとして20年以上の経歴を持ち、雑誌、ウェブ、ラジオ、テレビなど多岐にわたるメディアで活躍。
李琴峰
2017年、初めて第二言語である日本語で書いた小説『独り舞』にて第60回群像新人文学賞優秀作を受賞し、作家デビュー。
藤えりか
朝日新聞社で記者を経て朝デジ事業センター戦略部次長。ロサンゼルス支局などでハリウッドをはじめ映画界を長く取材。著書に『海を渡った「ナパーム弾の少女」 』(岩波ブックレット)、『「ナパーム弾の少女」五〇年の物語』(講談社)、『なぜメリル・ストリープはトランプに嚙みつき、オリバー・ストーンは期待するのか』(幻冬舎新書)。
Hiraku
幼少期から、ヒップホップの発祥地ブロンクス区で育つ。そのマルチカルチュラルな背景がファッション、ダイバーシティ、そして社会に対するユニークな視点を与える。 2010年には、テレビ番組「セックス・アンド・ザ・シティ」や映画「プラダを着た悪魔」のスタイリスト・コスチュームデザイナーであるパトリシア・フィールドの元、クリエイティブ・ディレクターを務めながらナイトライフ・パーソナリティーやモデルとしても活動。 2014年からは中村キース・ヘリング美術館でディレクターとして勤務し、全国で様々な展示やイベントを手掛ける。現在では、自身が人種マイノリティ、クィアとして米国で送った人生経験やキース·ヘリングのアートや人物を通じて、日本でのLGBTQ+コミュニティの基本的人権を要求する運動への参画やHIV·エイズに関する正しい知識や理解を深める活動など、社会活動にも積極的に参加している。
小川てつオ
1970年生れ。多摩川の河原を遊び場に幼少を過ごし、高校卒業後は、アート方面に。2003年から、都内公園テント村で野宿者として生活。テント前で物物交換カフェ「エノアール」運営、野宿者当事者団体「ねる会議」に参加。
佐野未来
ホームレスの人が路上で販売する雑誌『ビッグイシュー日本版』創業メンバー。2002年に「質の高い雑誌を発行し、ホームレ状態にある人の独占販売とすることで、すぐにできる仕事をつくる」というビッグイシューUKの仕組みに出会い、日本一路上生活者の多かった大阪で2003年にビッグイシュー日本を3人で創業。 2024年5月、『ビッグイシュー日本版』の累計販売冊数は1000万冊突破。販売者には16億2371万円の収入を提供した。
いちむらみさこ
東京の公園のブルーテント村在住。ホームレス女性たちのグループ「ノラ」を発足。ジェントリフィケーションやフェミニズムについての発表や作品展示を国内外で行っている。著書「ホームレスでいること 見えるものと見えないもののあいだ」(創元社)、「Dear キクチさん、ブルーテント村とチョコレート」(キョートット出版)、責任編集『エトセトラ VOL.7 特集:くぐりぬけて見つけた場所』(エトセトラブックス)、編集メンバー「小山さんノート」(エトセトラブックス)小山さんノートワークショップ
上出遼平
1989年東京生まれ。テレビ東京で『ハイパーハードボイルドグルメリポート』シリーズ企画・制作(現在Netflixで配信中)。 書籍版『ハイパーハードボイルドグルメリポート(朝日新聞出版)』、漫画版『新視覚版 ハイパーハードボイルドグルメリポート(秋田書店)』、音声版『NO VISION ハイパーハードボイルドグルメリポート(Spotify)』などマルチメディア展開。 その他の作品に、小説『歩山録(講談社)』、『ありえない仕事術(徳間書店)』など。
加瀬澤 充
大学卒業後、園舎と園庭のない幼稚園のドキュメンタリー映画「あおぞら」を制作。2002年に制作会社ドキュメンタリージャパンに参加。「オンリーワン」(NHK BS-1)「森人」(BS日本テレビ)「疾走!神楽男子」(NHK BSプレミアム)など数々のドキュメンタリー番組を演出する。
藤藪庸一
特定非営利活動法人 白浜レスキューネットワーク 理事長。1999年より牧師として白浜町三段壁における自殺防止活動を行い、これまで1700人を超える人々を保護し社会復帰を支援するため共同生活を行う。活動の継続と職業訓練機能のため、宅配お弁当惣菜屋「まちなかキッチン」を経営。自殺問題の根本解決のため、子どもの教育にも力を入れ、2005年から学童保育や子ども食堂を始め、2020年からは通信制高校も開校。昨年には子供や親を対象とした相談機関「くまのっ子児童家庭支援センターのこのこ」を開設するなど、あらゆる世代の人々が安心して暮らせる居場所作りに取り組んでいる。
村山章
レビューや紹介記事やインタビューなど主に映画にまつわる原稿を書いています。イベント運営やラジオ出演、自主配給など多岐にわたって活動中。
西篤近
東京生まれ。ダンサー。幼少時代の将来の夢は正義の味方かスーパースター。映画「ザ・エージェント」を見てスポーツエージェントを目指すが挫折。大学を中退して陸上自衛官、ダンサーを歴るも外的な限界に苛まれ自暴自棄になり全てのことから逃げ出すためにホームレスとなる。壮絶な日々の果てに死を覚悟する最中ビッグイシューにたどり着き、販売者登録二日目にして販売者たちも参加する路上生活経験者によるダンスカンパニー「新人Hソケリッサ!」の練習に参加して大きな衝撃を受け再び表現者の道を歩むことを選ぶ。 現在は、そのカンパニーの主メンバーとしてだけでなく個人でも活動中。主演ドキュメンタリー映画「ダンシングホームレス」が2020年上映。学校や企業、セミナー等での講演実績多数あり。写真 横関一浩