チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ー

デヴィッド・フランス、アメリカ、2020年
ロシア語
107分
日本語
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デヴィッド・フランス、アメリカ、2020年

ロシア支配下のチェチェン共和国で国家主導の"ゲイ狩り"が横行している。同性愛者たちは国家警察や自身の家族から拷問を受け、殺害され、社会から抹消されている。それでも決死の国外脱出を試みる彼らと、救出に奔走する活動家たちを追った。本作品では、被害者の命を守るため、フェイスダブル技術を駆使し身元を特定不能にしている。

ロシア語
107分
日本語

世界はこの大罪を止められるか

ロシア支配下のチェチェン共和国で国家主導の”ゲイ狩り”が横行している。同性愛者たちは国家警察や自身の家族から拷問を受け、殺害され、社会から抹消されている。それでも決死の国外脱出を試みる彼らと、救出に奔走する活動家たちを追った。本作品では、被害者の命を守るため、フェイスダブル技術を駆使し身元を特定不能にしている。

イントロダクション

作家としても受賞歴があり、アカデミー賞ノミネートの経歴を持つデイヴィッド・フランスが監督を務める。(『HOW TO SURVIVE A PLAGUE(疫病を生き抜く)』『マーシャ・P・ジョンソンの生と死』)彼は、本作『チェチェンへようこそーゲイの粛清ー』において、これまでも重要なテーマとしてきたLGBTQ問題を前面に打ち出し、ロシアのチェチェン共和国で現在起こっている人道的危機の驚くべき実態を伝える。

フランス監督は、チェチェン共和国当局によるLGBTQ迫害の犠牲者を救出する活動家たちの中に入り、ゲリラ撮影の手法で彼らが直面する困難と日々の地下活動を撮影した。チェチェンではゲイやトランスジェンダーであることは悪とされている。当局が関与する拘留、拷問、命の危険に瀕し、LGBTQの人々は息をひそめ恐怖に怯えて暮らしている。ロシアLGBTネットワークや、モスクワLGBT+イニシアティブコミュニティセンターの活動家グループに密着して撮影された映像は、LGBTQに対する恐ろしく残忍な虐待の様子を伝え、隠されてきた残虐行為と危機的状況を暴き出す。


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チェチェンのLGBTQに対する拘留、拷問、処刑を罪に問わず、粛清を進めるという暴挙を容認している。世界的に抗議の声をあげるには情報が少なく、ロシア連邦政府からの対応も得られないため、活動家らは秘密裏にネットワークを駆使し自力で問題に取り組まなければならない。そして、既に数え切れないほどの犠牲者が殺害され、行方不明者は数百人にのぼる。

偏見と憎悪の渦中で、十分な準備も資金もないままLGBTQ活動家は経験したことのない危険な仕事に奔走する。助けを求める人のための救援ホットラインの開設や、広範囲に及ぶ支援ネットワークの提供、一時的な避難所、安全な住居、緊急避難の対応など、活動は多岐にわたる。彼らは自らの危険を顧みず、弾圧から逃れた生存者を受け入れ、検問をやり過ごし国外へ避難させることに全力を尽くす。

この映画には、助けを求める性的少数者の男性や女性が登場する。彼らは率直に勇気をもって自らの経験を語っている。フランス監督は命の危険に晒された避難者の身元を保護するため、彼らの声を変え、偽名を採用している。また、ディープフェイクの使用法をを更に進化させた「フェイスダブル」を採用している。これはドキュメンタリー映画としては初の試みで、この方法で顔を変えることにより、感情のある印象的な映像が生まれ、避難者らは報復を恐れず語ることができ、彼らの苦境を直接伝える作品となっている。

撮影が終る頃までに、LGBTQ支援パイプラインを通じて151人が避難したが、それでも未だ40,000人が助けを求めながら身を隠して暮らしている。

監督コメント

私はジャーナリスト兼作家としての長年の仕事の中で、差別を受け、無視され、憎悪されているアウトサイダーや、社会の極限に追いやられた人々に焦点を当ててきた。

ドキュメンタリー映画の制作において、私はアウトサイダー活動を主題としている。最初の映画作品『HOW TO SURVIVE A PLAGUE(疫病を生き抜く)』では、伝染病がもたらした混乱に対する社会の対応を変えるべく、専門家でもない市井の人々がAIDS活動家として立ち上がった運動初期の様子を記録した。次いで、急進的なジェンダー運動の始まりを描いた『マーシャ・P・ジョンソンの生と死』では、現代のLGBTQ活動の礎となっただけでなく、1970年に性的マイノリティ権利団体を設立した活動家に着目した。

本作『チェチェンへようこそーゲイの粛清ー』は、この三部作の最後にあたる。今回も常識を超えて活動するごく一般の人たちを撮影しながら、ずっと心に抱いている疑問を投げかけている。あえて問題に目を背ける人々がいる中、彼らはなぜ甚大なリスクを冒してまで活動に取り組むのか。つまり、何がその英雄的活動を支えているのか。

撮影も終わり、地下活動パイプラインのメンバーと別れる時、この作品を発表し私が撮影したことが公になれば、もう二度とここへ戻れないと分かっていた。彼らの活動の尊さに感謝の涙があふれた。彼らの無私無欲で人道的な行動、あらゆる困難に立ち向かう実直で勇敢な活動を目撃する機会を与えてもらった。そのことに感謝している。

製作ストーリー

「殺されない限り、私たちの勝利だ。」ロシアのLGBTQ活動家、デイヴィッド・イスティーフは言う。

2017年初頭。映画制作者で報道ジャーナリストのデイヴィッド・フランスは、ロシア連邦チェチェン共和国の指導者のもとで、性的少数者を標的とする拷問や殺人が横行しているという恐ろしいニュース記事を目にした。そのニュースはすぐに見出しから消えたが、その年の7月、マーシャ・ゲッセンが書いた“The Gay Men who fled Chechnya’s Purge”(チェチェンの粛清から逃れたゲイの男性)の記事がニューヨーカー誌に掲載された。チェチェンの迫害は進行中であり、「チェチェンの血統浄化」を掲げた政府主導の取り組みであることが明らかになった。フランスは、「ゲッセンの記事は、この迫害がチェチェン人のLGBTQを見つけ出し、根絶するために計画されたトップダウン型の政策であることを突き止めていた」と語る。ロシア連邦政府はチェチェン指導者らへの介入を否定し、国際的な非難の声は無視されていた。同時に、現地活動家は、自力で解決しなければならない問題として、対応を余儀なくされていた。

その数日後、フランスはモスクワに渡り、マーシャ・ゲッセンを制作総指揮者とし、ロシア人プロデューサーのアスコルド・クーロフの助けを借りて、最初の事実調査を開始した。当初、週末だけの予定だったが、滞在は1か月に及んだ。「事態は急速に展開していて、迫害されている人々の救命活動が必死に行われているのを目の当たりにした。初日に撮影を始めて、そのまま続けるべきだと考えた」とフランスは言う。


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フランスは、国内最大の同性愛者権利グループであるロシアLGBTネットワーク危機対応コーディネーターのデイヴィッド・イスティーフ、モスクワLGBT+イニシアチブコミュニティセンターのディレクターであるオリガ・バラノバの信頼を得て、チェチェンにおける虐待の犠牲者を救出する地下活動に同行することになった。彼らのグループは数カ所にシェルターを持ち、避難した人々の身の安全だけでなく心理面や経済面でもサポートし、時には新しい身元を用意してロシア国外へ脱出させる支援もしている。危険な極秘活動だ。

フランスは彼らの活動を目の当たりにして、その恐れを知らない行動に感銘を受けた。「社会の機能不全に直面し、何とかしなければと立ち上がった人々による、勇敢な活動の記録。それがこの映画だ。彼らは誰一人として、自分たちのことを困難に立ち向かうヒーローだとは思っていなかった。自らの危険を顧みずひたすらに活動していた。」

プロデューサーのアリス・ヘンティは、2017年後半よりフランス監督のチームに加わった。本映画の題材についてこう語っている。「私もチェチェンの弾圧問題に注目し、恐怖を感じていた。そして、外部に出る情報が非常に少ないことにもショックを覚えた。当初は誰を撮影できるかも分からなかったが、間違いなく迫害の犠牲者の擁護を訴える力強い作品になると確信していた。」


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フランスはその後18か月の間に何度もロシアに渡り、地下活動パイプラインを通じて避難した生存者と会った。関係者の全面的な協力を得て、フランスとクーロフはノンストップで撮影を続けた。想像を絶する暴力を受けた数人の男女、命からがら避難して来た人々のインタビューも行った。だが、生存者たちは故郷の家族への脅迫(時には家族からの脅迫)を恐れていて、匿名での証言が前提だった。フランスは、当事者の姿を影で隠したり、顔にぼかしを入れたりしたくはなかった。隠すことは映像として当事者の人間性を損なうリスクがあると感じていた。「彼らは強い勇気を持って制限なしでの撮影を受け入れてくれた。私は撮影後、必ず彼らの匿名性を守る手段を講じると約束した。この恐ろしい状況の当事者となることはどういうことなのか、知りたいと思った。そして、悲劇と勇敢さ、困難な人生を生き抜く姿を伝えたいと思った。」とフランスは語る。

フランスとヘンティは、当事者の経験から表れる真実の感情を曖昧にすることなく、匿名性を保護する方法を模索し開発するために何か月も費やした。幾度も失敗を重ねたが、とうとう2つの解決策にたどり着いた。その方法を試すため、人間の共感と関係性研究の権威であるタリア・ウィートリー博士に相談した。博士はダートマス大学で109人の学生を対象とした研究にVFX画像を取り入れ、明確な成果を上げている。デジタルエフェクト会社300Ninjas,Inc.のライアン・レイニーによって開発されたその方法は、撮影された多くの被写体を、AIとディープマシンラーニングを使用したデジタル処理でマスキングするという技術だ。ディープフェイクのような技法だが、これまでの発想を覆す方法で利用している。画像を操作し、言っていないことを言っているように見せるのではなく、迫害の犠牲者が誰かの顔を借りて真実を語ることを可能にしている。フランスと彼のチームは、米国の人々、多くはニューヨークを拠点に世界中の反LGBTQ問題と闘っている活動家に呼び掛けて、映画に登場する22人の犠牲者らを守るため、活動の一環として顔を貸してくれるよう協力を求めた。「フェイスダブル」として、協力者をブルーバックで撮影し、その映像をアルゴリズム化し、マシーンラーニングを介して映画の登場人物の顔を覆う。同時に「ボイスダブル」で声も変えて、当事者を完全に特定不可能にした。

悪用されて来たディープフェイクのAI技術を、沈黙せざるを得なかった人々が真実を語るために、映画制作者が利用する。フランスはこの点について、「この方法を使わなければ、当事者らの存在は実体のない影のままで、機械音声による証言となってしまう。」と述べている。


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このプロジェクトに参加することの危険性は非常に大きく、この映画に関われば世界の多くの地域で論争と敵意に直面するであろうことが予想されたため、映画制作者らは、細心の注意を払ってすべての関係者が安心感を得られるよう努めた。「この映画に関わることを秘密にしたいかどうか関係者に確認したとき、ほとんどの活動家は隠す必要は無いと答えた。私たちはその後も彼らの意志を何度も確認した。だが、認知されることが実際には自分たちを守ることになるというのが彼らの論理だ。」とヘンティは語る。

ロシアとチェチェンでこの繊細な題材を撮影するにあたり、フランスと彼のチームも大きな個人的リスクを負っていた。決して自分たちに注意が向かないように用心し、2人以下の班に分かれ目立たないように行動した。「撮影には旅行者向けカメラを使った。市販のソニー製カメラで、使い古した旅行者カメラに見えるよう加工した。撮影ランプの点滅も見えないようにすべてテープを貼り、観光客のふりをして各地を撮影して回った。さらに、各シェルターにもカメラを置いて、避難者が自分で撮影できるようにした。特に危険を伴う撮影では、GoProや携帯電話のカメラを使用した。映画の約8%は携帯電話で撮影された映像だ。」とフランスは言う。映像はコピーを3部作成し、複雑に暗号化したドライブに保存して国外へ持ち出した。また、インターネットを介して映像を送ることを避け、ロシア国内に撮影の痕跡が残らないよう徹底した。

残虐行為の実状を強く訴えるため、フランスと彼のチームは、拷問や殺人の恐ろしい映像も映画に含めるという厳しい決断をした。そのことについてフランスは次のように述べている。「実際に何が起こっているのかを直視する必要がある。これらの映像が撮影された目的は、残虐行為の実行者が指揮者に報告したり、卑劣な行為を戦利品のように自慢するという浅ましい理由によるものだ。犯罪者側の実態も同様に映像に含むべきだと考えた。」(映像中の犠牲者は画像処理で保護されている)


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映画の公開にあたって映画制作者の望むことは、作品が出来るだけ多くの人に届き、支援の声があがることだ。ヘンティは言う、「できるだけ多くの人に見てもらいたい。世界の指導者たちがこの映画を見て行動を起こすことを期待しているし、ロシアで残虐行為に耐えている人々に、皆が彼らの苦しみに寄り添っていることを知ってもらいたい。」さらに、フランスはこう続けた、「だからこそ、ゲイの男性、レズビアン、トランスジェンダーの人々の勇気と強さを示し、正義に至るために必要な教訓となるよう、全ての人に伝えたい。」

『チェチェンへようこそーゲイの粛清ー』は、HBOドキュメンタリーフィルムズおよびパブリック・スクエア・フィルムズ制作。2020年1月に開催されたサンダンス映画祭の米国ドキュメンタリー映画コンペティションで世界初公開され、2020年後半よりHBOで放映。

取材対象者

“アフマド”:活動家らが運営するシェルターに身を寄せる青年の一人。チェチェンの迫害による避難者を受け入れているカナダへ渡る。

“アーニャ”:チェチェン政府高官の娘。男性の親類から干渉と絶え間ない監視を受け、自宅で監禁状態に置かれていた。性的指向が知られてしまい、国外への脱出を余儀なくされる。

デイヴィッド・イスティーフ:ロシアLGBTネットワークの危機対応コーディネーター。サンクト・ペテルブルグに拠点を置いていた元ジャーナリスト。チェチェンの迫害問題に取り組み、活動を率いる。

“グリシャ”:チェチェンで拘束され拷問を受けた生存者。そもそもチェチェン出身者ではないが、仕事のためチェチェンに滞在していた。チェチェン人でないことが確認され、沈黙を守るということで一旦解放されるが・・・

オリガ・バラノバ:モスクワLGBT+イニシアチブコミュニティセンターの創設ディレクター。コミュニティメンバーの危機回避のため、国内最大のシェルターを開設し運営を行う。


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チーム

デイヴィッド・フランス(監督)

ジョイ・トムチン(制作総指揮)

アリス・ヘンティ(プロデューサー)

タイラー・H・ウォーク(編集)

アスコルド・クーロフ(プロデューサー/撮影監督)

ライアン・レイニー(視覚効果)

イゴール・ミャコチン(共同プロデューサー)

エフゲニー・ガルペリン&サーシャ・ガルペリン(音楽)

    プレミアム・ドキュメンタリー

    ドリームガールズ

    宝塚歌劇の華麗な世界を映したBBCドキュメンタリーの秀作。表舞台に立つことを夢見て毎年数千人の女子学生が入学を志願する宝塚音楽学校。その経営者は男性だ。少女たちは難関を突破して入学できたとしても、男役、娘役に選ばれレビューに参加できるようになるまで何年も厳格な規律のもと下積み生活に耐えなけれなならない。本作「ドリーム・ガールズ」は、ジェンダーと性的アイデンティティ、そして現在も日本人女性がおかれている社会的矛盾について鋭い洞察をもって提示する。

    プレミアム・ドキュメンタリー

    バンチ・オブ・アマチュア
    ~わが愛しの映画クラブ~

    解散の危機に瀕した英国最古のアマチュア映画クラブ。愛する映画クラブの存続をかけて奮闘するメンバーたちに思いがけない奇跡が起こる。 ブラッドフォード映画製作所はいかにも英国らしい労働者階級の人々が集まるアマチュア映画クラブだ。今や高齢化の波が押し寄せ、認知症や介護、伴侶との別れなど残酷な老いと向き合いながらも、彼らは映画という夢を追い続けている。一杯の紅茶を飲みながら映画への情熱を語り合う彼らの日々を静かに温かい眼差しで見つめたドキュメンタリー。過酷な現実、孤独深まるデジタル時代においても、空想の世界を描く心の豊かさや他者と分かち合う時間の大切さに気付かされる。

    プレミアム・ドキュメンタリー

    新宿ボーイズ

    新宿歌舞伎町のおなべバー、ニュー・マリリン。そこで男性として生きることを決意した3人のホストをカメラは追った。たくさんのガールフレンドに囲まれモテモテのGAISH。時に見せる冷たい態度が女性の心をくすぐる。ホルモン注射を打ったTATSUは、どのお客さんにも分け隔てなく優しいと人気だ。そしてニューハーフのくみと暮らしているKAZUKI。カメラは、ジェンダー・アイデンティティや性的指向、セックスライフについて率直に語る彼らの姿を映し出す。

    プレミアム・ドキュメンタリー

    イラン式に離婚するなら?

    夫との離婚を実現しようと法廷で闘うイランの女性たちを追った。ジャミラは夫から暴力を受けており、16歳のジーバは38歳の夫との離婚を試みる。マリヤムは娘の親権をめぐって壮絶な闘いを繰り広げる。イランの不条理な司法システムや、夫・家族からの圧力が彼女たちを追い詰める。

    プレミアム・ドキュメンタリー

    ガイア・ガールズ

    1999年。女子プロレス界を賑わせたGAEA JAPANの合宿所に密着する。明日のスターを夢見る3人の新人。彼らを「自分の子供」と呼ぶ大御所レスラー長与千種が、愛の鞭を振るう。

    プレミアム・ドキュメンタリー

    助産師たち

    仏教徒とイスラム教徒という異なるバックグラウンドを持つ2人の助産師。厳しい民族間対立をものともせず、ミャンマー西武ラカイン州の仮設診療所にて、ロヒンギャに医療サービスを提供している。混乱と暴力が激化する中、肩を並べて働く2人の苦闘、希望、夢を5年以上に渡って追った。

    プレミアム・ドキュメンタリー

    ヒットマン・ハート〜レスリング・ウィズ・シャドウズ〜

    1997年。プロレス界を震撼させた「モントリオール事件」。その真偽は25年経った今も明らかになっていない。 マット界の権力抗争に巻き込まれながらも、正義を求めて闘い続けた伝説の男、“ヒットマン”ハートが心の内を語る。

    プレミアム・ドキュメンタリー

    ダーク・デイズ

    ニューヨークはマンハッタン。列車が通る地下トンネルには、地上で行き場を失った者たちが暮らす魔窟がある。この暗闇の中で、辛い過去に葛藤しながらも、人々は光を探している。ある日突然、鉄道会社による強制退去が始まった——。この作品は、トンネルに住むホームレス自らによって制作された。

    プレミアム・ドキュメンタリー

    ジョーライン 〜SNSアイドルへの道〜

    インフルエンサーの「きらびやかな世界」を夢⾒る16歳のオースティン。貧困から抜け出そうと、持ち前のルックスを武器に日々配信に励む。だが、夢⾒る場所はあまりにも遠い。「いいね」の数が全ての世界、⼤⼈たちによる搾取、少⼥たちの現実逃避の場…そんなSNSの裏側が垣間見える。

    プレミアム・ドキュメンタリー

    ソフティ・イン・ケニア

    止まぬ民族紛争に政治腐敗・・・ケニアという国に憤りを感じた大胆不敵な男、フォトジャーナリストのボニファスが今立ち上がる!命をかけた抗議デモに、議員選挙への出馬。「今日死んでもいい」と言い切るボニファスに、妻は「国と家族」どちらかを選ぶよう迫る。

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    忘れな草 〜ママはあなたを抱けなかった〜

    お腹の⼦をあきらめ養⼦に出すか、⾃らの⼿で育てるかー。決断を迫られる若き韓国⼈⼥性3⼈を追った、⽣々しくも⼼揺さぶられるドキュメンタリー。未婚の⺟親への社会的偏⾒が根強く残る韓国社会を映し出す。韓国人の母親の元に生まれるも、デンマークの里親に養⼦として育てられた監督が、母親を探して⺟⼦施設を訪れるところから物語は始まる。

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    画家と泥棒

    2枚の絵画が何者かに盗まれた。画家は犯⼈を突き⽌めるも、犯人は「覚えていない」の⼀点張り。「あなたを描かせてー」画家の突然の提案から、思いも寄らない2⼈の関係が始まる。

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    メキシコ・シティでは、人口900万人に対し、行政が運営する救急車は45台にも満たない。そのため、専門訓練もほとんどなく、認可も得ていない営利目的の救急隊という闇ビジネスが生まれている。オチョア家族もその一つだ。

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    アート界で国際的なセンセーションを巻き起こしたキース・ヘリングは、1980年代のニューヨークにおける伝説的なアートシーンの先駆者であり、ポップカルチャーとファインアートの世界に革命をもたらした。未公開のインタビューで構成されたこの興味深く真実に迫るドキュメンタリーは、まさにキース自身が語るアーティスト伝記映画の決定版だ。また、キース・へリング財団のみが保有する初公開の記録も含み、過去50年間で最も人々の目を惹きつけた彼の作品の背景にあるワイルドでクリエイティブなエネルギーも映し出している。

    プレミアム・ドキュメンタリー

    ロンドン・エディンバラ・ロンドン

    5日間の忍耐と試練の旅である。ロンドンの中心からイギリス全土を渡り、エディンバラへ。そしてロンドンまで戻ってくる。 彼らのほとんどが、今まで経験したこともない約1400kmの道のりを走行する中、身体と精神の極限まで自分を追い込み、数多くの困難に立ち向かわなければならなかった。

    プレミアム・ドキュメンタリー

    牧師といのちの崖

    その崖の上は、毎日が生きる闘いでした。 風光明媚な観光名所、三段壁。 美しい断崖は、自殺の名所としても知られていた。 人生に絶望した自殺志願者と、共に暮らす牧師。 彼らの日々が問いかける“生きる意味”とは?

    プレミアム・ドキュメンタリー

    Blue Bag Life

    短編ドキュメンタリー

    『Art of Repair』アート・オブ・リペアー

    コメディアン、スチュワート・リーのナレーションでおくるロンドンのイーストエンドで生きる人々のユニークで感動的なドキュメンタリー。

    短編ドキュメンタリー

    I ♥ NY

    “I ♥ NY”(アイ・ラブ・ニューヨーク)はニューヨークのあちこちで目にするあまりに有名なロゴで、誰かがデザインして生まれたものとは思えないくらいだ。ニューヨークと言えば思い浮かび、観光客やニューヨーカーがこの街への愛を示すシンボルとなっている。

    短編ドキュメンタリー

    ケープ・フラッツ

    ニューヨークを拠点に活動するジェイク・オルセン監督による衝撃的な短編ドキュメンタリー。南アフリカ・ケープタウンのケープ・フラッツで3日間にわたって撮影された『ケープ・フラッツ(The Flats)』は、そこで暮らす住民の生活を探る。

    短編ドキュメンタリー

    スプリンター・ファクトリー

    世界一のスプリント王国ジャマイカで、次の陸上競技チャンピオンを目指して全力で駆ける少女たちに迫る熱きドキュメンタリー。

    短編ドキュメンタリー

    ミスティコ

    イタリア生まれの映画監督カルロッタ・マナイゴは、その魅惑的なスペクタクルに惹かれ、あるルチャドール(ファイター)のマスクの下に潜り込むことにした。人を魅了してやまない男… “ミスティコ”である。

    短編ドキュメンタリー

    その理由

    フロリダの田舎に住む低所得者層が、喫煙によって大切な人を失いながらも、依存症に悩む姿を描いたドキュメンタリー短編映画。クリスティ、エリック、ジェレミーの3人は10代前半からタバコを吸い続け、大切な人を失っているにもかかわらず、収入の25%をタバコに費やし続けている。それぞれやめたい理由があるのだが、やめられない。

    短編ドキュメンタリー

    スノウ・サイエティ

    毛皮のコートやドンペリニヨンのボトルが象徴する雪山の高級リゾート、サンモリッツ。優雅な映像と並んで、大麻樹脂を炙り、ボードを折るほど激しく滑走するスノーボーダーの姿が目に飛び込んでくる。リュディ監督はこの作品について、「サンモリッツをラグジュアリーな面と反社会的な面の両方から捉えることで、二分法で分けられた世界を視覚的に読み解くドキュメンタリー映画だ」と語る。

    短編ドキュメンタリー

    NYC, 1981

    『NYC, 1981』は、ニューヨーク市の治安が史上最悪と言われた時代にフォーカスしたオリジナル短編ドキュメンタリーだ。

    短編ドキュメンタリー

    チェスの魔法(Magic of Chess)

    『チェスの魔法(Magic of Chess)』は、小さなチェス・チャンピオンたちがチェスによって広がる豊かな世界を語る短編ドキュメンタリー。毎年、ナッシュビルでは賞金を懸けたチェス大会が開催される。監督ジェニー・シュバイツァー・ベルは、2019年の小学生部門チェストーナメントを撮影した。映画の中でインタビューを受けるのは、8才のタニ・アデウミ。ナイジェリア難民で、家族とホームレスのシェルターで暮している。ニューヨークのチェス選手権でエリート私立校のライバルたちを打ち負かし、この大会に出場する。

    短編ドキュメンタリー

    カステイー人間の塔ー

    カステイは、カタルーニャの老若男女がお互いの背中や肩によじ登り、構築される人間の塔だ。この慣習は1801年に初めて文化活動として記録され、1980年台に競技へと発展した。2010年にはUNESCOの無形文化遺産に登録され、カステイはカタルーニャの“豊かな文化多様性”や重要性を持つとされた。

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    ラビット・ハント

    フロリダ州エバーグレーズの一部では、20世紀初頭から、若い男性(現在は若い女性)が棒と素早い反射神経だけで砂糖プランテーションの縁辺でウサギを狩る伝統がある。

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    『ガン・ネイション(Gun Nation)』ゼッド・ネルソン

    『ガン・ネイション (Gun Nation)』は、アメリカの自由を表す最大の象徴が、年間約3万人の市民の命を奪う銃であるというパラドックスに迫るドキュメンタリー。 ゼッド・ネルソンの衝撃的な写真集「ガン・ネイション」が発表されてから18年後。アメリカでは銃器によってこれまでに50万人もの市民が命を落とし、負傷者も後を絶たない。ネルソンは当時撮影した人々と再会し、再び彼らの写真を撮りながら、いまだに銃器所持に執着するアメリカの国民性を問う。

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    『入浴 ―水との深い関係― (We the Bathers)』は、世界各地の14人の姿を捉えた美しく心に響く短編ドキュメンタリー。それぞれの人生が“水”をめぐる物語でつながっている。 フィービー・アーンシュタイン監督はこの映画で、入浴という個人的な慣習、そのプライベートな時間に結び付いた心の深淵を探求している。人種差別、うつ病、ホームレス、移民、売春などの社会問題に触れながら、人々が水との関わりによって内省と再生、癒しを得る様子を見つめる。 文化や地域を越えて、人間が水に自身を委ねる行為―入浴―に抱く感情に迫った作品。"

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    ファンガール

    ロサンゼルスを拠点とする映画監督兼フォトグラファーのライザ・マンデロップは、ソーシャルメディアが発達した現代の新しい“推し活”にはまる少女たちに着目した。マンデロップが捉えたのは、人とのつながりをますますテクノロジーに依存していく現代社会の実状だ。不安定な思春期を生きる少女たちは、日々、SNSでフォローしているアイドルに慰めと心のつながりを見出している。

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    ダンベ - エレファントフードは最強の歯のため

    ナイジェリアの伝統格闘技ダンベ、その内側に迫ったドキュメンタリー。ライバル同士の2人の格闘家が闘技場“ダンダリ”での対決に臨む姿を、臨場感あふれるカメラワークとカラング太鼓の音にのせてミュージシャンのユスフ・ムサが奏でる「語りの歌」で綴る。アフリカン・コミュニティの祝祭と闘争、信仰と神秘、美しさと勇猛さに惹きつけられる。

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    タングラス ― 地獄のペット ニワトリ―

    ある日、ムンバイで暮らす家族の小さなアパートに、父さんが一羽のヒヨコを買って来た。

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    ロケット戦争

    「ロケット戦争」のルーツは数世紀に遡る。この地域の聖マルコ教会とパナギア・エリツィアーニ教会2大教区の住民が手作りのロケット花火を打ち上げる祭りだ。近年、ロケット花火の数は数千発にものぼり、復活祭の春の夜空を飛び交う光景はまさに壮観である。

    短編ドキュメンタリー

    『IVRY』(アイブリー)

    『IVRY』(アイブリー)は、青年アイブリー・ホールの人生に迫ったドキュメンタリー映画だ。彼はシカゴのサウスサイドでボクシングに励み、近所の子供たちの指導もする。映画の中で、アイブリーはボクシングジムに通う一人の少年イライジャに語りかける。ともすれば道を踏み外しそうになる荒んだ環境で、正しく生きるための知恵と人生の教訓を諭す。いくつものタトゥーを持ち、12歳の頃から何度も刑務所に入れられた。昔の仲間が生きる道を誤り、命を落とすのを何度も見て来た。これが、この地区(シカゴ近郊のイングルウッド)に暮らす若者たちの常だ。しかし、アイブリーは「そんな環境に打ち勝たなければならない。自分の内面を深く見つめること。自分で道を切り開くんだ」と饒舌に語る。

    写真集

    『Hessle Road』アレック・ギル

    写真家アレック・ギル(75歳)は、1971年にイギリスのキングストン・アポン・ハル市にあるセントアンドリュース漁港を撮り始めた。それ以来、この町のヘッスルロード地区にカメラを向け続けている。ギルは自らを称して“わが町を旅する人”そして斜陽の差す漁港の歴史を記録する“偶然の目撃者”だと言う。数十年に亘って、この地域とそこに住む人々を6,630枚にも及ぶ写真に捉えている。ギルはハル市の旧市街に生まれた。1960年代には海運業や運送業の仕事に就いたが事務仕事に向かず、よく旅へ出て写真を撮っていた。

    写真集

    ストリッパー図鑑

    原芳市は1975年以来、ストリッパーの肖像を撮り続けてきた。その数は1,500枚以上にのぼる。写真集『ストリッパー図鑑』は、原のライフワークの原点を飾る一冊である。

    写真集

    『Soho』バリー・ルイス

    1990年までのソーホーは、地域の高級化と家賃の値上がりによりエキゾチックな雰囲気が急速に失われつつあった。そこにゲイコミュニティが到来し、“ピンク・マネー”と言われる彼らの経済力によって以前の活気を取り戻し、幾分か時代の変化が緩やかになった。

    写真集

    『Facing New York』ブルース・ギルデン

    ブルース・ギルデンの路上劇場の登場人物には破天荒な面々が揃う。安っぽい派手さを身にまとい、世間離れしている。そして多くの者がミステリアスだ。ギルデンとニューヨーカーの関係は、互いに「ご近所さん」のようなもの。明白でシンプルな言葉、そして豊かな表現力で、独特の個性を放つ自称「ニューヨークのはぐれ者」たちの姿を、ギルデンはとらえてきた。彼の世界では、誰1人としてステージの片隅にいる者はいない。全員がスターなのだ。

    写真集

    アイリッシュ・トラベラー

    ミンキアは、アイルランドの伝統的な移動少数民族であり、アイルランド政府や定住民は彼らを“アイリッシュ・トラベラー”と呼ぶ。“ミンキア”とは、彼ら独自の言語であるキャント語(符牒)またはギャモン語で、「アイルランド移動民族のコミュニティー」を意味する。

    写真集

    『Street Cops』ジル・フリードマン

    混乱の時代を捉えた写真家の中でも最も重要なドキュメンタリーフォトグラファーの1人、ジル・フリードマン。彼女は人生をかけて複雑な社会状況を撮影し、誠実で芸術的な作品に昇華したストリート写真家だ。社会の片隅に暮らす人々に寄り添いながら、何か月も共に過ごして日常を記録した。

    写真集

    ダニエル・アーノルド

    ブルックリンを拠点とする写真家。街を毎日8〜12時間歩き回っては人々の写真を撮り、文句を言われる前に猛スピードで立ち去る。こうして、ニューヨーカーのプライバシーに風穴をあけるストリートフォトを撮り続けている。アーノルドは“変人のように一人で街をぶらついた”後、撮りためた沢山の写真の中からキラリと光る人間味あふれる瞬間を拾い上げる。彼の写真の躍動感は決してスタジオで再現できるものではない。ビル・カニンガムがユニークなファッションのスナップ写真を片っ端から撮り続けたように、アーノルドは日常のあちこちで絶え間なく営まれる人同士のふれあいがもたらす瞬間を、目にとまる限り残らずカメラに捉えようしている。

    写真集

    マーク・ネヴィル

    イギリス人アーティスト、マーク・ネヴィルは、アート、アクティビズム、ドキュメンタリーの交差点で活動し、写真の社会的機能を探求している。彼の写真プロジェクトは、被写体にとって直接的で実用的な利益をもたらすことを目的とし、地域社会と密接に関わりながら進行する。

    写真集

    『サブウェイ』ブルース・デビッドソン

    ブルース・デビッドソンの名作品集『サブウェイ』は、1980年代のニューヨーク・シティの様子を、極めて直感的に記録したものである。

    写真集

    『I Can Help』ポール・リース

    スーパーの店員がつけているバッジからとったタイトル「I Can Help」は、イギリス産業革命後の消費ブームをテーマにした、30枚の大型カラー写真シリーズだ。リースはスーパーマーケットのサブカルチャーを鋭く観察し、日常的なシチュエーションに純粋なストーリーを見出した。

    写真集

    ノグチ・シン

    ノグチ・シンは、1976年東京都新宿区生まれ。鎌倉と東京を拠点に活動し、数々の賞を受賞しているストリートフォトグラファーです。彼のストリート写真は、日常生活の流れの中にある興奮、ヒューマニズム、美しさの特別な瞬間を捉える試みであると説明する。控えめで、詩的で、謎めいたアプローチで、演出された写真やノーファインダー、ヒップショット写真に頼ることなく、日本文化の繊細さと複雑さを捉えることができる。

    写真集

    大衆演劇

    大衆演劇場に足を踏み入れると、ワイルドで華々しい秘密結社に潜入したようにワクワクする。奇抜な衣裳を着た役者が舞台で踊れば、ファンたちも大喜びで一斉に立ち上がり踊り出す。どういうわけか、全員が振付けを知っているようだ。盛り上がったファンは、タイミングを見計らっては舞台に駆け寄って金封やプレゼントを渡したり、通路に飛び出してペンライトを振ったりする。まるで、アイドルのコンサートに来た若者たちのようだが、劇場に来ている女性たちの多くは10代の子どもを持つ親世代だ。

    写真集

    甲斐扶佐義

    日本の写真家 甲斐扶佐義は、人生を賭した作品の多くを火事で失い、生きる気力を失くしていた時期があった。しかし、活気ある時代と彼の驚くべき経歴がにじみ出る一連の作品は今でも見ることができる。

    写真集

    『The Last Resort』マーティン・パー

    フォトグラファーのマーティン・パーがイギリスの海岸を撮影した秀逸な写真は、1983~85年にニューブライトンのリバプール・ビーチ・リゾートを訪れた時のものだ。パーの得意とする飽和色を配し、廃れた街の“一時代”を皮肉なユーモアをまじえて写し出す。ゴミだらけになったリゾート地ニューブライトンの舗装された遊歩道が、英国経済の衰退と社会状況の悪化を暗示している。

    写真集

    『Heart of Darkness - Kowloon's Walled City』グレッグ・ジラード

    1993年まで香港には魔窟と呼ばれる建造物があった。九龍の小さな区画にビルが密集してそびえ立ち、ジャングルの樹冠のように連なって大きな1つの要塞を形成していた。高さは14階にも延び、壁面は何百もの小さなアパートや店舗の蛍光灯で光り輝いていた。内部には学校や作業場、診療所、工場もあり、祈りと娯楽、享楽が詰まったこの場所に35,000人以上の住民が重なり合って暮らしていた。

    写真集

    『Bus Odyssey』トム・ウッド

    この写真集は、トム・ウッドがリバプールの街を走る路線バスから20年かけて撮影した写真で綴られている。